日々に少々の塩胡椒を。

映画、旅、音楽そして雑感を綴ります。

映画鑑賞雑記#2

気がつけば1月が終わる。1年のうち4週が過ぎてしまったと嘆くのは大袈裟だろうか。

 

慌ただしい中でも映画鑑賞は淡々と続けられており、今月は24作品という結果になった。

 

前回の雑記以降に観た中で特に印象に残るのは『沈黙』である。遠藤周作の小説を読んで惚れ込んだマーティン・スコセッシが20年以上の歳月を経て映像化した作品。

江戸時代初期、キリスト教弾圧の強い風が吹く長崎を舞台に、姿を消した師を捜す為ポルトガルからやって来た若き宣教師の目を通して、信仰とは何かを問いかけるドラマとなっている。


上映時間およそ3時間という長尺ながら、作品全体に緊張感が張り詰め、サスペンス映画のような空気に包まれた本作に、宗教とは程遠い環境にある自分でも飽きるという感情が起こらなかったのには驚いた。

また、耳につく効果音も殆ど無い中で、茂り立つ植物が風に触れることでお互いに触れ、発する擦れた音が秘境にいるかのような錯覚を覚えさせる。我々鑑賞者もアンドリュー・ガーフィールド演じる主人公と同様、物理的にも精神的にも路頭に迷ってゆく。とんでもない場所へ来てしまったのではないか?信じる気持ちさえあれば救われるのか?と。

 

 映画を観る愉しみの一つに余韻に浸ることが挙げられるだろうが、『沈黙』は、その世界に向き合って長い時間をかけて咀嚼するのに相応しい1本だと思う。

日本人俳優が大挙して出演していることも見所の本作、気になった方は是非劇場でご覧になってみて下さい。

 

 

youtu.be

 

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※日米それぞれの予告編。味付けの違いが興味深いですね。