【イベント予告】メロウなひととき。
来たる日曜日の19日に、DJイベントを行ないます。
第3回目となる今回も、趣旨は変わらず、その心地よいメロディで別世界へと誘ってくれる音楽の数々がかかることでしょう。
東京は新宿歌舞伎町のゴールデン街の一角に佇むbar Gardenを舞台に、夕刻から夜の初めにかけて総勢9名による選曲の妙を堪能頂けると幸いです。
それぞれが選曲するジャンル等多少違えど、イベントの空間そのものは《メロウネス》の下に統一感があるのが醍醐味かとも思っております。
是非皆様のお越しを一同お待ちしております。語らいましょう。
メロウなひととき。
2017.3.19 (sun) 15:00-19:00 @新宿Garden
予定タイムテーブル
15:00-15:20 塩胡椒少々
15:20-15:45 cheapnuts
15:45-16:10 SAKATAK
16:10-16:35 くらっきん
16:35-17:00 Masato
17:00-17:20 はたP
17:20-17:45 我田引水
17:45-18:10 なかむらけい
18:10-18:30 junpee
18:30-19:00 BtoB
映画鑑賞雑記#3
最後に書いたのはついこの前と思っていたら、ひと月近く時間が流れていた。何かに振り回されるほどの日々を送っていたわけではないが、2月はすぅっと目の前から逃げていっている。それを防ぐ術は何かあるのだろうか。
先月に比べると鑑賞本数は少ないものの、今月ももちろん気になる作品が多いので、映画館へは割とこまめに通っている。
日本時間の来週月曜日27日の午前中に発表されるアカデミー賞を前に、日本でも事前鑑賞できる本命作品への注目そして期待が膨らむばかりではあるが、その前に是非オススメしたい作品がある。
『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』という小説の名前のような邦題作品に、深く魅了されてしまった。本作は今年の賞レースに全く縁がない結果に終わったが、個人的には幾つかの部門でノミネートされていてもおかしくない作品だと思う。
物語は突然の出来事から始まる。
投資銀行員として成功の日々を送る主人公は妻の死にすら何ら感情を抱けなくなっていることを自覚し、義理の父親から受けたあるアドバイスを基に、身の回りのものを壊し始めていく。心の再生を目指し、もがき奮闘する姿を追いかけたドラマである。
主人公役に若手バケモノ俳優ジェイク・ギレンホール、共演にナオミ・ワッツとクリス・クーパーを迎え、『ダラス・バイヤーズクラブ』のジャン=マルク・バレ監督がブラックリストに掲載された脚本を映像化した。
詳細は事細かには書かないが、本作の何に魅了されたかと言えば、心の再生の為にモノを壊しまくっていくという意表を突かれる物語そのものと、音楽との絶妙なコラボレーションが挙げられる。早くも2017年の私的名作になりうる作品と出会い、嬉しく思っている。
是非映画館で味わって頂きたい一本。
映画鑑賞雑記#2
気がつけば1月が終わる。1年のうち4週が過ぎてしまったと嘆くのは大袈裟だろうか。
慌ただしい中でも映画鑑賞は淡々と続けられており、今月は24作品という結果になった。
前回の雑記以降に観た中で特に印象に残るのは『沈黙』である。遠藤周作の小説を読んで惚れ込んだマーティン・スコセッシが20年以上の歳月を経て映像化した作品。
江戸時代初期、キリスト教弾圧の強い風が吹く長崎を舞台に、姿を消した師を捜す為ポルトガルからやって来た若き宣教師の目を通して、信仰とは何かを問いかけるドラマとなっている。
上映時間およそ3時間という長尺ながら、作品全体に緊張感が張り詰め、サスペンス映画のような空気に包まれた本作に、宗教とは程遠い環境にある自分でも飽きるという感情が起こらなかったのには驚いた。
また、耳につく効果音も殆ど無い中で、茂り立つ植物が風に触れることでお互いに触れ、発する擦れた音が秘境にいるかのような錯覚を覚えさせる。我々鑑賞者もアンドリュー・ガーフィールド演じる主人公と同様、物理的にも精神的にも路頭に迷ってゆく。とんでもない場所へ来てしまったのではないか?信じる気持ちさえあれば救われるのか?と。
映画を観る愉しみの一つに余韻に浸ることが挙げられるだろうが、『沈黙』は、その世界に向き合って長い時間をかけて咀嚼するのに相応しい1本だと思う。
日本人俳優が大挙して出演していることも見所の本作、気になった方は是非劇場でご覧になってみて下さい。
※日米それぞれの予告編。味付けの違いが興味深いですね。
【イベント回顧】2017/1/22 メロウなひととき。
2回目の開催が無事終了いたしました。
今回も前回に続き、参加頂いたDJの皆さまの濃ゆい選曲に唸らされるばかりでした。今後の盤探しの糧ともなり、大変勉強になったひとときでありました。
お越しくださった方々に感謝申し上げます。
次回の開催もほぼ決まる模様ですので、引き続きよろしくお願いいたします。
今回の選曲リストと私的なコメントを以下に記します。よろしければご覧ください。
<選曲リスト>
① 週末の海 / 内山田洋とクール・ファイブ ('78)
② ダンシング・シューズ / ERI ('85)
③ メリー・ゴーラウンド / 寺尾聡 ('84)
④ 今夜はドラマティック / 山本達彦 ('83)
⑤ とけいくメモリー / 金井由布子 ('82)
⑥ まぶしい貴方 / HI-FI SET ('85)
⑦ さよならは愛の言葉 / 角松敏生 & 国分友里恵 ('83)
BtoB ぼくたちの箱船 / ばんば ひろふみ ('82)
<私的コメント>
オープニングは結成10周年の記念盤より。鍵盤担当の宮本悦朗の洒脱なセンスが発揮されたインストゥルメンタルで、時折入るコーラスを聞いて始めて、彼らだと分かる方も多いかも。
続く②は、昨年末惜しくも他界した菅井えりの昔名義のデビュー作から、ブリッジの効いたミディアムテンポの楽曲。中間部での微笑ましい展開がアクセントになっています。
ライヴ盤テイクのみの③は、堺正章に提供した曲のカバーで、原曲に忠実なアレンジでありながら、演奏力の高さやコーラスパートの点から個人的にはこちらの方が好みです。
④は、ライヴ盤のみでの発表曲を山下達郎バンドを中心としたメンバーでスタジオ録音したミディアムメロウな一曲。オシャレな選曲でのダンシングタイムにうってつけです。
冒頭から終始、ニューヨークの摩天楼の夜景が頭をよぎる曲調の⑤。70年後期から80年初期にかけ数枚のアルバムを残す金井夕子が名前を由布子に改名して発表したシングルオンリーの隠れた名曲。落ち着いた金井の歌唱も良し、林哲司のアレンジもこれぞという出来で良しと、聴きどころ満載です。
⑥は、ファーストソロアルバムでのEugene Recordの歌唱で知られるPutting It Down(To The Way I Feel About You) のまさか?の日本語カバー。山本潤子の切なさを湛えた憂いもあるボーカルは、一家言あるソウルファンにも納得いただけるのでは?
ラストは80年初期を代表する甘美なデュエットチューンをシングル盤で。何も語ることはありません。ただ聴き惚れるのみです。
そして、オマケはシングル盤B面の醍醐味とも言うべき一曲。様々な歌い手が流行りの楽曲形態を積極的に取り入れていたこともうかがい知れますね。
【イベント予告】メロウなひととき。
来たる1月22日(日)に、DJイベントを行ないます。
昨年秋に続き2回目の開催となりますが、
趣旨は変わらずイベント名の通り、
各DJが自分にとってメロウな楽曲、心地良くなれる曲を年代や製作国、ジャンルを問わず選曲し、良質な空間作りを目指します。
ちなみに前回かけられた曲のジャンルは、
70〜80年代のシティポップスやAORを筆頭に、ハワイアン、ブラックコンテンポラリー、80年代〜現行に至るブギー等、DJそれぞれの志向が強く反映された選曲となりました。
今回も前回登場したジャンルの曲中心になる予感こそするものの、DJが違えば選曲も異なっていくわけで、新たな発見も沢山できるのではないかと思っています。
皆様のお越しを一同お待ちしております。
メロウなひととき。
2017.1.22 sun 15:00~19:00 @ 新宿Garden
タイムテーブル
15:00-15:25 junpee
15:25-15:50 Masato
15:50-16:15 bloodstone
16:15-16:40 cheapnuts
16:40-17:05 塩胡椒少々
17:05-17:30 下妻宏平
17:30-17:55 我田引水
17:55-18:20 はたP
18:20-19:00 BtoB
週間映画鑑賞雑記 #1
例年より暖かい3ヶ日から成人の日を含めた3連休までの9日間は、正月気分が居残ってはいたが、気になるものはやはり気になる性分が強く働き、10作品の映画館での鑑賞という積極的な年明けとなった。その中で取り上げたいのは封切りされたばかりの邦画である。
今週は、自分好みの私的名作には巡り合わなかったのだが、『僕らのごはんは明日で待ってる』はドラマ性の強い、見応えある佳作だ。
正直、観る前は期待していなかった。期待の少なかった分、ぐいぐい引き込まれていった。
その最たる要因はヒロイン役の新木優子の好演にあり、鑑賞中は彼女の虜になっていた。
主人公を想い続ける影のある才女役で、台詞量がとにかく多い。劇中で一番多いのではないかと思ったくらいだ。
彼女はその役柄にひれ伏す事なく、良い意味でまるで本人役であるかのように演じきっている。
彼女を本作で初めて知り、映画やドラマへの出演履歴を調べてみたのだが、断言したい。彼女の代表作の一つになるだろう。
本作を観る動機として主役の中島裕翔を目当ての方が圧倒的多数と想像する。映画ファンならば、星野源と夏帆の甘酸っぱい演技が記憶に残る『箱入り息子の恋』を撮った市井昌秀監督の新作ということが動機のトリガーかもしれない。
ただ、いざ作品を観終えてみると、どうだろう。ヒロイン役の新木の凛とした存在感の強さが印象に残るのではないだろうか。絶妙なキャスティングである。
前作に続き、もどかしくも温かい恋愛模様を描いた市井監督の手腕ぶりも本作の見所だと当然思う。だけども敢えて言いたい。
一番の見所は、新木優子の魅力であると。
女男を追わず20代俳優の層が厚くなる中で、彼女にも幅広い役柄での活躍を期待したいところだ。
同じく新作の、ゲームの世界にいると見紛う程の映像表現が素晴らしい『ナーヴ』や、アル・パチーノとアンソニー・ホプキンス初共演のリーガルサスペンス『ブラック・ファイル』等について書きたいことはあるが、それ以上の感動を覚えたことを優先したい。
今週はこれまで。
来週はどんな映画に出会えるだろう。